飲食店の開業は、お勧めできない理由。
飲食店をやりたいという方が河原嶋にこられました。
やめといたほういいですよと、言ってしまいました。ご期待に添えず申し訳ありません。
新規の飲食店は開店2年以内に約50%が閉店します。
未経験者がはじめるのには危険すぎます。という私も素人だったのですが。
私が卒業した調理師学校の校長先生が、店は雰囲気だ、と言っていました。
味ではないのですか、と私がいうと、「この時代、ものすごく不味いものを出す店なんかないよ」とのこと。
たしかに、味はどこの店も美味しい。ということは、横並びで競争にさらされますから、価格の争いになって経営は楽なものではありません。そこから抜け出すヒントが、校長先生の言葉だと、開業して5年めの今、理解できます。
蛇足になりますが、開業3年目に、それまでの「河原嶋うどん」から「カフェかわらしま」に名称を変更し、揚げ物をやめたのも、雰囲気=コンセプトをしっかりさせたかったからです。
ところで、写真は大阪にあるお店、551蓬莱の豚まんです。1個100円台でしたので、たいした期待もなく食べたときの驚き。
食材をみると、シンプル。でも凄い美味しい。しかも安い。大阪人の気骨をみたようでした。
それと並び立つ私が美味しいと思っている豚まんは、横浜中華街にある聘珍樓の豚まん。
1個400円くらいしますが、これが素晴らしく美味しい。使っている食材も本格的な中華。
豚まんにかぎらず、美味しいものを通販でかんたんに食べることができる時代ですが、ときどき「あの店」へいきたくなります。
誰にでもあるあの店を深く理解することが、飲食店の開業準備の第一歩ではないのかなと思います。
校長先生がいっていたとおり、美味しいだけでは人はなかなか来てはくれませんが、人生は一度きり。店をはじめるのもいいと思います。
うまくいったにしても、そうでなかったにしても、悔いのないようにしたいものです。