道具が人を選ぶ
明日は保健所の検査がありまして、厨房の大掃除の仕上げはガスレンジ。
業務用のは簡単に分解ができるので、各パーツにわけて汚れを落とすと、汗まみれになりますが新品同様になります。
そんな私の趣味のひとつに中古の調理道具を扱っている店めぐりがあります。
あるとき、そんな店で玉子焼き器に出会いました。そのころ私はダシ巻き玉子もまともにできずにいましたが、玉子焼き器の状態から、腕のいい職人が使っていたことはすぐに判りました。
価格をみると新品の2倍くらい。いまが全くの使い頃。最高の状態です。
だのに、どうしてこれを手放したのか、これを使っていた職人の店が閉店したのか、あるいは、病気になったのか、それとも、亡くなったのか・・・
欲しくはあったのですが、買わずに店をあとにしました。
ですが、家にもどっても、あの玉子焼き器が頭からはなれません。
買わなかったことが悔やまれて、数日後、買いに走りましたが、ありませんでした。
すぐに判りました。
あのとき道具は自分の主を選んでいたのだなと。
私はあの玉子焼き器のメガネにかなわなかったのだなと納得しました。
道具が人を選ぶ。
いま、あれと出会ったら、どうだろう・・・
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